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軽めの仕上がり (はてな編)

Curiosity is the most powerful thing you own.

テレワーク日記 (10-11月) トランプ氏は賛成・反対どちらでしょう?

  • 不定期連載のテレワーク日記。9-11月の巻。

ついでに世の中のテレワークニュースも少し拾ってみた。

 

❖10月某日@スーパーの駐車場

 ・東京都西部にあるスーパーの駐車場からコールイン。駐車場の無断使用はよろしくないので、お弁当とお茶を購入した上でいざ出陣。

 ・車内でヘッドセットをしながら身振り手振りでろくろを回すように会話している様を買い物に来たおばさんたちに怪訝な目で見られる。下手な尾行か、相当に追い詰められている人のように映ったか。

 ・少し離れたところでは営業マンがシートを倒して瞑想中。きっと大切な商談を前にイメトレしているのでしょう。60分のコールが終わってもまだ瞑想中。

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 ・写真のような仕様で車中コールイン。(画像は一部加工してあります)

 忙しさの演出という意図は全くなくて、オフィスのある人がリモートワークをやろうとするとそれなりに道具が必要になります。どうしても場所によって機能的な意味での主従関係が生じてしまいがちだからです。少なくともヘッドセット、モバイルルーター、二要素認証が必要になった場合に備えて会社のスマホ、この3点は必須です

 今回、コールに入るにあたって選択した自動車という"ワークプレイス"は色々と考えた結果の選択です。電源もあり、空調も効いていて、声を出しても外にはあまり漏れない、という意味でテレワークというかリモートワークに向いていると思っています。

 もとより電話会議が予定されていなくても、チャットやメールのやり取りからハングアウトやSkypeなどでサクッと会話しましょうか、といった流れも起こり得るのが今の働き方だと思っています。それに電話がかかってくる可能性もゼロでは無い。そう考えると、

  • 屋外はノイズと羞恥心の両面で不向き、屋内でも、オフィスビルの1Fを拝借するなんてのはアポイント前のひとときならまだしも、しばらく居座るにはセキュリティの観点でもモラル的にも不適切。
  • デパートやテナントが入っている雑居ビルのトイレとかはスマホだけで仕事がこなせる人には便利かもしれませんが個室で会話なんしていたら通報されるかもしれないし、そもそもトイレの利用目的として駄目。
  • 階段やピロティ―は声が上下に筒抜けたりするし行き交う人にも気を遣う。

てな具合で屋外だと「喋れるて座れて仕事出来る場所」というのがなかなか具合よく見つかりません。

 ちなみに、喋れるかどうか以前に、上記のような場所で手近なところから電源取ってくるのは窃盗ですのでご法度です。(電気は財物ですので、窃取してはいけませんぞ)

 電源とWi-Fiがあって仕事に適しているのはスターバックスなどのカフェです。ただし、こちらも油断大敵で、住宅街の店舗に限る話なのかもしれませんが、PCやタブレット等のデバイスの使用を禁止する時間帯を設けたりしている事もあります。この写真は拙宅の近所のドライブスルーがあるスタ―バックスですが、平日は許されていますが土日祝日の午後は禁止されています。週末にプレゼン作成したり頭の整理をしたいビジネスパーソンにとっては痛いかもしれません。

 朝早く来てやる分には構わないのでどうぞ! という話なのかもしれません。あちらも商売ですので回転率の低下とのトレードオフみたいな事かもしれません。

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 そういった煩わしさを考えたときに、個人的には「自動車でテレワーク」ってアリだよな、と思うわけです。( 大前提として家で出来るという事は言うまでもなく 。)

 

❖10月某日@自宅

 ・午前中はテレワークで午後からオフィスに出勤。という少し上級者(?)みたいな予定を組んでみましたところ、通勤電車でライフを削らなくて良い分、妙にペースが上がってしまいまして、オフィスに行くのがかったるくなりました。このままずっと家でやりたい症候群というものに襲われたようです。 

 ・「午前在宅」のメリットは、いつもなら出かけるときに寝ていて、帰宅したらやっぱり寝ている、という事になりがちな我が子と逢える時間が確保できる事です。イクメンという意味でもこれは重要。実際、心なしか娘も機嫌が良さそうに見えます。やはり「乳は無くても父は必要」という事が再確認出来ました。

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 ・ただし、ノリノリで仕事している時にこんな感じでアピールしにくるので、在宅勤務中に幼児がいる場合は天岩戸にこもる覚悟で仕事しないと駄目だよな、とも実感しています。自宅で保育や介護しながら仕事もするという事を視野に入れた「働き方改革」の意味からしたらこれは想定内な状況な訳です。働く父さんも母さんは大変だ。

 ・それと今回は被害はありませんでしたが、大事なコール中に意味不明な喃語を叫び出すことも警戒が必要です。参加者に「あら、かわいい声が(ハート)」という一瞬の安らぎと、「こいつほんとに仕事してんのかよ」という疑念や不快感をまき散らす可能性があります。さらに、「ウンチ出た」みたいな報告が来た場合は「プライオリティは何か」という問いかけが脳内を駆け巡ります。

 ぜひ、幼児を抱えて在宅勤務に挑まれる方は、お子さんの排便リズムを把握しておきましょう。

 

❖11月某日@移動中

 ・金曜の午後に在宅勤務を取ることに対する罪悪感が少しずつ薄らいできました。ちゃんと仕事はしてますので罪悪感を感じる必要は無いのですが、そこは日本人のメンタリティであります。

 ・金曜の午後に在宅勤務を取得すると、帰宅というか自宅移動の時間はまだ人々がランチや商談にとせわしなく歩いていたりする訳ですね。それだけにビルを出た瞬間に感じるある種の解放感と背徳感みたいなものが正直、ある訳ですよ。小学生の時に学校を早退した時みたいな感覚。

 ただ、習慣とは恐ろしいもので、そんなナイーブな感覚は金曜午後は隔週で在宅という個人ルールを設定したら、ひと月ちょっとで気にならなくなりました。

 

❖関連ニュース拾い読み

 さて、「テレワーク」と言いながら世の中では「働き方改革」というもう一段大きい風呂敷で議論されている訳ですが、その事については別の投稿↓

takao-chitose.hatenablog.com

で言及していますので、興味がある方はひちらをご確認いただきたいのですが、そもそもどのうような領域を含むものなのかだけを引用しておきますとこのようになります。

  1. 同一労働同一賃金など非正規雇用の処遇改善。
  2. 賃金引き上げと労働生産性の向上。
  3. 時間外労働の上限規制の在り方など長時間労働の是正。
  4. 雇用吸収力の高い産業への転職・再就職支援、人材育成、格差を固定化させない教育の問題。
  5. テレワーク、副業・兼業といった柔軟な働き方。
  6. 働き方に中立的な社会保障制度・税制など女性・若者が活躍しやすい環境整備。
  7. 高齢者の就業促進。
  8. 病気の治療、そして子育て・介護と仕事の両立。
  9. 外国人材の受入れの問題。

かなり広範囲です。市井の人々の人生から国家的課題まで含まれている感じ。

という事で、私の日記だけだと彩に欠けますので、この範囲に含まれるニュースの中で気になったものを3つ斜め読みしながら次回予告風味でフェードアウト 。

 

❖在宅勤務定着へ制度充実 味の素、管理職に義務付け (2016.11.28)

www.nikkei.com

味の素の在宅勤務は管理職にあたる基幹職、一般職、嘱託社員ら本体の全社員が対象で、約3500人に上る。週1日だけ出社すれば、それ以外は自宅など社外で働ける。形骸化を防ぐため、3分の1を占める約1100人の管理職には原則、週1日を目安に在宅勤務を義務化する方針。罰則は特に設けない。

 原則一日だけ出社であとは自由。いいですね。思い切った感じがします。外部アクセスを支援する為の情報化にも10億円程度投資する予定という事で、本気な感じがムンムンします。個人的に惜しいなと思うのは、

パソコンは深夜時間帯には起動できない仕組みも導入。

という部分です。深夜労働や超過労働が世間を騒がせている日本においては妥協点なのかもしれませんが、そもそも子育てや介護で時間が取れない人の場合、深夜・早朝の数時間で仕事を片付けようという方もいると思われるます。そのあたりの線引きが難しいのは理解できますが、やや画竜点睛を欠く感じがしました。

 

❖「いつ、どこで働いてもOK」ユニリーバ・ジャパンが新人事制度を導入

 お次は外資系企業の例です。グローバル企業としてダイバーシティにも積極的な同社は、女性管理職比率の高さ(課長職以上31%、2016年6月現在)*1 といった数字にも表れています。

www.unilever.co.jp

肝は

「WAA」は「Work from Anywhere and Anytime」の略で、働く場所、時間を社員が自由に選べる制度。1日の標準勤務時間(7時間35分)×1カ月の所定労働日数で算出した1カ月の標準勤務時間をクリアすれば、平日6〜21時の間で自由に勤務時間や休憩時間を決められる。(WWD Japan)

という所でしょうか。

 これは裁量労働と同じですね。24時間をどう使うかは皆さんが考えてくださいという割り切り。一か月の標準労働時間というラインを「在宅勤務の要件を満たすために必要な最低限のライン」と捉えるか、「そのライン満たしていればやりたい時に自分の都合でどれだけ働いてもいいってことね。了解! 」と捉えるかは人それぞれだと思います。この半年はどっぷり仕事に浸かりたいのだ、といったような心意気の時にはこういうルールは便利です。ダイバーシティを担保するという意味では従業員を信頼して自己管理に徹しているのは欧米的な感覚かもしれませんが、私はとても良いと思います。

 

最後にこちら。

❖米ヤフーが在宅勤務禁止へ 制度がもたらすデメリットとは?

 ニュースとしては旧聞に属する話ですが、当時は結構な議論を呼んだと記憶しています。

jp.wsj.com

禁止の理由は記事中にもありますが、

「自宅で仕事をすると往々にしてスピードや質が犠牲にされがちだ。われわれはヤフーとして1つになる必要がある!それには、まず物理的に一体感を高めることだ」

これはどうなんですかね。

 私、個人的には会社のスローガンが "One xxx "とかになるのは良くない兆候という個人的な経験則を心に秘めています。*2 そういう斜に構えた物言いはさておくとしても 、この発表に対してなんとあのトランプ氏が支持していました。

この問題に割って入ったのが米不動産王ドナルド・トランプ氏だ。同氏は簡易ブログサイト「ツイッター」で、メイヤー氏が「ヤフーの従業員に自宅で働くよりも、職場に来ることを期待するのは正しい。彼女の仕事ぶりは素晴らしい!」とつぶやいた。

 こういった「盛り上がる話題」や「価値観を揺さぶる問いかけ」に乗っかってくる感度の高さは、プロレス仕込みというか、ある種の才覚なんだろうなぁ、と。それはともかく、NYTの記事を読みますと、

 face-to-face interaction among employees fosters a more collaborative culture — a hallmark of Google’s approach to its business.

 この部分は業種や職種によって当てはまる場合と当てはまらない場合がありそうです。

 「出社する事で果たされるコラボレーションが重要」という点については、Rob Cross / Reb Rebele / Adam Grant *3 の共同執筆による"Collaborative Overlaod" という論考がHBRに出てまして、これがワークスタイルイノベーションといった文脈で読んでも面白い内容です。

※このテレワーク日記の目的からは背伸びし過ぎなので、別の投稿でこれを材料にして少し愚考する事にしようかと。

hbr.org

*1:ユニリーバ・ジャパン、新人事制度「WAA」を導入 | ニュース&メディア | ユニリーバ・ジャパン 

*2:なぜなら、スローガンとは大抵の場合は「出来てない事」を出来るようにする為に掲げることが多いと感じているので。

*3:Rob Cross | the University of Virginia’s McIntire School of Commerce , Red Rebele | research fellow in the Wharton People Analytics initiative at the University of Pennsylvania, Adam Grant | professor at Wharton