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キャリアの作り方をJRで例えるとどうなるか

  何故か今朝、これが朝イチで頭に浮かんだ。会計年度末が近づいて来期の事に想いを巡らせていたからかも知れない。 

 社会人としてかれこれ23年間、ラッキーというか小心者故に失業や失職することも無く、平均すると1社5年の会社員生活を続けて現在に至るのですが、そなん時間と経験の中で自らのキャリアはもちろん、同年代の知人のキャリア形成なんかも思いながら整理してみました。飲み会のネタ程度のレベルですが、キャリアについて考える時の材料になれば、と。

 

❖キャリア形成の4タイプ

鉄道よりは飛行機派なのですが、キャリア形成の過程をJRになぞらえると以下の4タイプあるような気がします。

  1. 山手線型
  2. 湘南新宿ライン
  3. 鶴見線
  4. 新幹線型 

順に説明すると、

1.山手線型

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 ここと決めた会社で腰を据えて満遍なく職種をこなして、それなりの地位を目指したり、存在感を獲得するパターン。ある程度の規模がある企業である事が前提ではあるが、特定の市場でリーダーあるいはチャレンジャー的地位にある企業にも当てはまる。就職人気ランキングで上位に入る様な所が分かりやすいパターン。

 大企業であればあるほど、大量の乗降客を(スケールの大きい仕事)を捌いたりする機会にも恵まれる可能性がありますので、それらはきっとかけがえのない資産になるでしょう。

 企業価値が本人の経験価値となって、将来的に個人としてのブランド価値に転換する場合もありますので、あまりよそ見をしないで素直にものごと吸収できるタイプの人なんかは長期的にみて合っているパターンだと思います。

 また、キャリアに対する価値観が「会社>職種」だったりする場合には良いアプローチかもしれません。単なるミーハーは論外ですが、「ここでこれをやりたい」といった意志がある場合は、ジョブローテーションの過程でその会社を理解して進化していくこともありだし、その過程で自分に合う職種に出会えたから思い切って乗り換えてみる、といったステップアップも可能なんじゃないかな、と思います。 

2.湘南新宿ライン

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 これは職種を変えずに転職してステップアップして行くタイプ。

 大企業からベンチャー、或は同一職種で異業界などのパターンがあり得るかと。このタイプの特色は、キャリアの蓄積を通じて色々な街に乗り入れる事になるので、その経験に裏打ちされた専門性と引き出しの多さが市場価値となったり、本人の魅力となる事が一つの成功パターンかと思います。時に人身事故の影響で、遅れが出たり迂回を求められたりする事もありますが、長い目で見ればそれも良い経験です。

 ただし、路線拡張の為の「転職」のつもりが単なるキャリアの複々線化(前の会社とやってることのレベルが一緒)になると、いわゆるJob hopper化して市場価値が下がるので注意が必要。

 いわゆるヘッドハンティングを生業とする会社からすると、回転率の良い上客という事にもなるので、転がり続ける事に抵抗がなく、進出先でのミスマッチがストレスにならない人はこうした展開も割り切れるかもしれません。ご自身のナイーブさと相談した上でのチョイスですね。ま、「慣れ」って人間を強く(鈍感に) しますので。

  尚、このパターンの場合は、キャリアを延伸する過程で気に入った土地に出会えたら定住(独立開業)するのもありだと思います。40前後で独立とか考えている人には良いかもしれません。(無責任)

3.鶴見線

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 一般にあまり知名度が無いと思われる鶴見線です。

 鶴見線型キャリアというのは、仕事以外の事に人生の価値を置いている人にとってのオプションです。この先、延伸するでもなく、最新の車両(社屋)や乗降客数の増加(給与の増加)が見込まれるわけでも無く、Good Design Awardにノミネートするような駅舎(知名度) も必要としていない型です。

 ひと言でいうならば「はた目には華が無いキャリア」感はぬぐえません。

 ただし、過疎地のローカル線のように風前の灯かと言えば、そんなことはありません。そこには堅実な乗降客がおり、地域において確固たるニーズに支えられているので、一定の市場価値はあるようなキャリア形成です。

 派手な成功といったリスクを狙わずに、「仕事は仕事」と割り切って人生の重きを他のものにおいて生きていくのは、決して否定的に捉えるものでは無く、むしろライフスタイルとしての迷いの無さ、コミットメントの高さは清々しいレベルです。

 あわてずに、実直に仕事をこなしていく事で得られる信頼というのは掛け値なしに素晴らしいものなので、地方公務員とか目指している人のオプションとしてはありかもしれません。

※経済的な安定を求めて公務員を志向するような人には不向きです。

4.新幹線型

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 夢の超特急です。キャリアの目的地がある程度明確で、そこになるべく早くたどり着きたい、その為の特急料金 (ハードワーク) は厭わない、という方にとっては良いパターンだと思います。

 その目的地が地位、年収、社会的な知名度など何であれ競争は激しいです。新幹線として走っているつもりが、いつの間にか「ミニ新幹線」になっていたり、「のぞみ」から「こだま」になって後輩に追い越されたり、といった「上には上がいる」容赦のない事態が日常的に起こります。

 そこでいちいち凹んでしまうようなメンタリティだと、退避駅から発車できなくなりますし、途中下車しても相当遠くに来てしまった、という事になりますのでよく考えてから乗った方がいいキャリアパターンです。

 ただ、そうした環境の中で自らの能力と野心と覚悟のバランスを見ながら終着駅を時に修正しながら突き進む事で得られるバイタリティ、似たような思考回路の人達との出会いから学べることは多いと思います。

 キャリアがある程度進んでから新幹線型に乗り換えるのはなかなか大変です。タイミング (年齢) と手持ちのお金(経験と能力)を見極めて、名古屋(30半ば)、新大阪(40前後)あたりで次の「のぞみ」を待つような周到さが必要になります。

 一般的にグローバル企業はこのパターンの人が多い気がします。Up or Outな文化が支配的ですが、その分、対価としての乗り心地(給与やオフィス環境) は相対的に恵まれている傾向にあるかと。

 この新幹線型キャリアのひとつの成功例としては国内の在来線に乗り入れるのは限定的ですが、新幹線型であるあなた自身が「輸出できる」人材になれるかもしれない所です。個人として売れるというのは、これからのキャリアの一つの成功パターンだと思うので、勇気をもってチャレンジすれば大化けするかもしれません。

 

まとめ

 私自身がまだキャリアという旅路の途中ですので、すごろく上がった人のように上から語っている場合では無いのですが、40代も後半を迎えて色々と考える事が多くなったので、これまでの経験に基づいて遊び半分で類型化してみました。

 他にもパターンはあるかもしれませんが、案外、面白いんじゃないかと自画自賛。こんど誰かにこれを開陳して反応見てみようと思います。

 ちなみに、私自身は新幹線にあこがれる東海道線、みたいな感じですね。

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画像はいずれもWikipediaより。

*2016/08/23 タイポを修正