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軽めの仕上がり (はてな編)

Curiosity is the most powerful thing you own.

リーチとターゲティングの話がますます Old & New になってきた

 最近ここのブログがお気に入り。オプト社が会社ブログでは無い形で、デジタルマーケティング界隈の人に向けて発信しているブログ。正直、代理店のホームページを見に行くのは皆無だけど、このブログは発信頻度が抑制的で誠実さが感じられる。考えるきっかけを頂く事もあり重宝している。

(見逃さないようにfeedly に登録したけどうまく引いてこないのが惜しい。)

 

global-adtech.jp

さて、本日気になったのはこちら。

 私、社内で旧来の広告宣伝部的に露出量に価値を置いたような物言いをする人の事を「リーチ至上主義者」と揶揄して部下に困った顔をされる事が月に一度くらいはあるのですが、そんな私の琴線に触れる内容。

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要点すると、こんな感じかな。

  •  GoogleFacebookなどのプレイヤーが抱えているデータ量は広告主にとって魅力だが、ターゲットの精度や測定の透明性においてまだ課題がある
  • スクリーンやマーケティングチャネルを超えてユーザを特定する事はまだ限界がある。
  • これは技術的な話だけでは無く、生活者の行動がFacebookGoogleだけでは成立しえない事からも明らか。
  • 広告主は1st と3rd の連動を通じて、2nd party dataを拡充していく事で、量と質のバランスを維持していく事が当面の方向性と言えるだろう 

で以下、感想文的所感。

■リーチを考える時の二つの視点

リーチという場合に、

・Reach (= Volume)

・Target Reach ( = Quality と Volume)

という似てるけどちょいと違う視点があると思うのです。 で、このあたりを曖昧なままにして、代理店さんやメディアの人とコミュニケーションし始めると良くないよな

と日々思うのです。

 広告主/マーケターが正確性よりもリーチを優先し続ける限り、ベンダーはその要求に応え続けることになります。とはいえ、データ精度とボリュームは必ずしもトレードオフであり続ける必要はありません。

 広告でターゲット出来る量と質がトレードオフの関係にあるのはある程度自明でしょう。独占性のある公共財でもない限りは「量と質」が高い次元で一致するというのは難しいと考えられます。

 むしろ、マーケターにとって大切なのは、ターゲットの量を適切に見積もることではないでしょうか。いわゆるTAM/SAM分析で言えば、SAMの部分をしっかりと根拠をもって見積もることです。ここが曖昧だと、不安を払しょくする意味で届かないよりは届いていた方が良い、という判断が働いてリーチ = TAM 的な事になってしまうのではないかと推測しています。Marektingによる直接的、時に短期的なRevenue への貢献を求められる事が最近は多いので、そういった要因も、結果が分からないなら少しでもエアカバーは広くとっておきたい、という心理に拍車をかけるのかもしれません。

 

二項対立では無い

 殆どのカテゴリにおいて、市場は寡占か完全競争だと思います。従って、競合相手との相互関係において現在の自社のシェアが決まり、それを前提に将来のシェア獲得、或は市場(カテゴリ)の再定義を企図して広告投下をしていく訳です。本質的には広告活動の先にあるのはそういう事だと思うのです。この辺の所に対して洞察が甘いと「顧客満足」とか「ロイヤリティ」とか「Change Perception」とか測定しても手ごたえがイマイチだったりするところに広告効果の目的をセットしがちです*1。 

 マーケティングは投資ですから、その投資が成功した場合、自分達はどういう市場ポジションを獲得しているか、という事を念頭に置いて計画する癖付けは重要です。

そもそも、広告主にとって必要なのは正確なターゲティングなのでしょうか。それとも広範なリーチなのでしょうか。 

 これは目的に依拠する話で、二項対立で考える事では無いですね。本文でも「orではない」という言及はされています。でも実務的には陥りがちなところだなと思います。この記事で抜けているのはフリクエンシーの部分。

・コミュニケーションする相手

・コミュニケーションする内容

・コミュニケーションする頻度

 広告計画やコミュニケーション計画においてこの3つは大事なファクターだと思うのです。完全にPrime Prospect だけを特定できる手法というものはまだ存在しないので、Prime Prospectと想定される部分に対するリーチを確保しつつ、その幅を広げてターゲットの精度に対する補正や外した場合のリスクを回避しながら、フリクエンシーとの見合いで最良の処方箋を練っていくのがベースにあるべきだと思うのです。要するに動的なターゲティングがデジタルマーケティングの醍醐味である、と。

 

  ちなみにこの記事の参照先(以下)で出てくる、Probablistic とDeterministic の話はちょっと面白いので、別途、学んでおきたいと思う次第。

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*1:*(そういうのもマーケティングの大事な役割りだと思いますが、こと広告活動を計画する上では優先度は下がるのが普通と思うのです。狙っても良いとは思いますが、広告でロイヤリティを上げる事はかなり困難だろうと。それより人的資源や顧客インターフェース、製品品質などに投資した方が良いはず)